活動報告1995年(平成7年)

平成7年4月12日

命(ヌチ)ぞ寳

──あなたのことは忘れない

日蓮宗(奥邨正寛宗務総長)では、第二次世界大戦が終結して五十年を期して平成五年十月三十一日に広島で、平成六年五月十日に長崎で、それぞれ宗門法要を厳修してきた。

この法要の締め括りとして四月十二日沖縄県宜野湾市・沖縄コンベンションセンターでお題目総弘終戦五十周年沖縄宗門法要「命ぞ寳──あなたのことは忘れない」を行い、全国から六千五百人の僧侶と檀信徒が参集した。

佐賀県宗務所でも当初百二十名の団員募集計画を大幅に変更し、僧侶三十名(法要関係二十五名)檀信徒百七十七名総勢二百七名が参加した。

今回の法要は、沖縄で最も収容人員が多い会場で行われたが、収容能力をはるかに上回る参加者が全国から集まったため、午前は九州教区、午後はその他の全教区に分けて営まれた。

佐賀県は十日午前六時に佐賀駅バスターミナルを出発。午前十一時三十分青く輝くサンゴ礁に囲まれた沖縄那覇空港に着陸、早速南部戦跡慰霊の旅へバスを連ねた。

海軍指令濠では心凍る戦慄に思わず合掌・ひめゆりの塔では散華した少女達の御霊に香華を供養し、涙を拭い摩文仁が丘・はがくれの塔では県内戦死者二万数千名の英霊に全員で法華経を読誦し、お題目を唱え、参拝団員を代表し護法常任委員 牧瀬厳男氏が献華を行った。

四月十二日南国の美しい青空下九州教区の参拝団員は、宿舎を後に午前十時に会場に集合した。

永井祥文実行委員長による開会宣言の後、各実行委員を先頭に行脚隊・伝導隊約百名が団扇太鼓を会場にこだまさせ入場した。続いて日蓮宗佐賀県青年会雅楽部の雅楽吹奏の中、岩間日雄管長猊下が宗務院内局の各部長の先導で登壇され「沖縄では八十予日にわたり一日数千発の弾丸が撃ち込まれ、山河の形がかわるほどの激戦を繰り広げました。お釈迦さまは勝つ者は恨みを招き、敗れたる者は苦しみを増す、そのいずれをも離れたるものは心安らかにして幸いなりと教えられています。戦いつつ戦火の治まることを命がけで求めた皆様のご心労を思うと、霊を慰める道はその無念をはらうことではなく、祈り求めた平和をこの地上に築き上げるように努めることです。戦没者へのご冥福を心からお祈りいたしましょう」とお示しになった。

法要は奥邨正寛宗務総長を導師におこなわれ、全ての行事は感動の渦の中で終了した。

法要を通して参加者全員、心を一つに立正平和を祈念し、お題目の輪を世界に広めることを誓い合った。