活動報告1999年(平成11年)

平成11年3月30日

平成十一年三月三十日、「立教開宗七五〇年慶讃九州教区大会」が開催されます

日蓮大聖人が、はじめて「南無妙法蓮華経」とお唱えになられたのは、建長五年(一二五三)四月二十八日、千葉県安房郡天津小湊にある本山清澄寺の旭ヶ森の山頂でした。太平洋の彼方より暁闇をやぶってさし上る朝日に向てお題目を十返お唱えになられました。これを日蓮宗では「立教開宗」と申します。

以来、大聖人は一生をかけて衆生を教済せんと、お題目を広めてこられました。大聖人の願いは、多くのお弟子や、信者達によって今日まで唱え継がれて参りました。そして、今まさに立教開宗七五〇年の慶事を迎えようとしています。私達は、このお題目の歴史の重みをかみしめ、今日有り難くもお唱え出来る喜びを忘れてはなりません。

昨今、同じお題目をお唱えしながら人々に不安と迷いを与えている新興宗教が数多くあります。私達日蓮宗の宗徒は、立教開宗七五〇年を迎える今こそ、日蓮大聖人以来綿々と唱えられた本当のお題目を伝えていく大きな義務があります。

大聖人のお言葉に「地涌の菩薩の出現に非ずんば唱えがたき題目也」、「仏法は体のごとし、世間はかげのごとし、体曲がれば影ななめなり」とございます様に私達は末法の世の中の今、幸いにも値い難き法華経に結縁を頂き、唱題の喜びを味わう事が出来、本当に感謝の念にたえません。少しでも誤った心でお題目をお唱えしますと、大きな罪を作ってしまうのだと戒めておられます。

さて、この度の慶事に向い、日蓮宗では、「誓願」というテーマで、本当のお題目をお唱えする為には、どの様な事を実践していったらよいのかを皆様と一緒に考えて参りたいのです。

「誓願」と一口に申しても色々な事がありますが、日蓮大聖人の誓願は、「我れ日本の柱とならん、我れ日本の眼目とならん、我れ日本の大船とならん」という誓いでございました。まさに我々衆生を救済せんが為の大きな決意であります。

そして、私達の誓願とは、正しいお題目を唱え弘め、お釈迦様の真髄の教えである法華経を受持し、この地上に平和な仏国土を建設する努力を行う事であります。その為には、人々が互いを拝み合い感謝の心を持てる人格を形成していく事が必要であります。

法華経の教えの中に「如来使」というものがあります。法華経、お題目を受持する者は、僧俗の区別なく如来の使いであり、お釈迦様のお使いの役を全する使命があるのです。

九州教区では来る三月三十日、グランメッセ熊本を会場に各地より五千名もの檀信徒が集い、去る平成九年五月二十八日中央大会に於いて分灯されました「誓願の燈」を中心に、改めて大聖人がお唱えされた「南無妙法蓮華経」のお題目を共に唱え、「如来使」の自覚を高めたいものです。